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自然・旅行・写真・音楽

ウスイロヒョウモンモドキ観察会に参加して(7月中旬 兵庫県)

はじめに
今回の記事では具体的な月日や地名を記載する。それはT氏をはじめとした「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の皆さんから、是非この蝶や会の活動のことを多くの方に広く知っていただきたいというお話があったため。なお、ウスイロヒョウモンモドキは、自然公園法による「指定動物」となっていて、当地ハチ高原一帯を含めて、氷ノ山後山那岐山国定公園において採集禁止となっている。

ヒメオオの寄り道」のhimeooさんのお誘いを受け、7月15日午前10時から兵庫県養父市のハチ高原で行われたウスイロヒョウモンモドキ観察会に「暖蝶寒鳥」のごまさんとともに参加した。その観察会への参加や宿の手配の他、我々が滞在した3日間、周辺の蝶の生息地の案内をしてくださったのは兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会の他、日本チョウ類保全協会等で活躍されているT氏。T氏の案内の下、ウスイロヒョウモンモドキをはじめとして、カシワ林で発生するキマダラルリツバメ、ハヤシミドリシジミ、初見のウラキンシジミ、ウスイロオナガシジミ、ヒサマツミドリシジミ、クロシジミなど沢山の蝶に出会うことができた。
ウスイロヒョウモンモドキは皆さんもご存じのことと思うが、環境省が絶滅のおそれがある生物についてまとめた「レッドリスト」において、最も絶滅の危険が高い「絶滅危惧Ⅰ類」に指定されている蝶だ。かつては中国山地のあちこちに生息していたが、今ではほとんどの地域で絶滅し、わずかに7か所で生息が確認されているだけ。その東の端にあたるのが、兵庫県のハチ高原一帯で、日本最大規模の生息地だ。
春先に気温が低かったため今年は成虫の発生が遅れると予想されたため、観察会は例年より1週間遅い開催となった。前日の14日夕刻宿に到着したとき、東京のMさんが見えていて、会の方に案内され、出会えたのは少数ながら無事撮影もできたという話を聞いた。翌日はよほどの悪天候でもない限りはその姿をカメラに収めることができそうだと期待が膨らんだ。
遠征前は曇りや雨のマークの並ぶ週間天気予報を見てやきもきしていたが、当日は奇跡的に晴天となった。予定通りに10時から観察会が始まったが、最初は開会行事があり、主催者等のあいさつの後、生態や周辺の環境などを学んだ。フィールドに出たのは11時頃。ところで会場を出たところでいきなり、現地のテレビ局からインタビューを受け、もしかしたら、当地でのニュースに私の姿が映ってしまったのかもしれない。
最初の出会いは高丸山への登山道の中ほど。オカトラノオでミドリヒョウモンなどと一緒に吸蜜している個体を数頭発見した。
ウスイロヒョウモンモドキ観察会に参加して(7月中旬 兵庫県)_f0199866_21204950.jpg

風が強い上、最初の出会いということで自分も気が高じていたが、他のカメラマンたちも殺到したため、思うような撮影はできなかった。
ウスイロヒョウモンモドキ観察会に参加して(7月中旬 兵庫県)_f0199866_2121432.jpg

しかし、この調子ならこの後はいくらでも撮影できるだろうからと気持ちを鎮めて更に道を進んだ。ところが、現実は甘くなかった。発生の遅れもあるのかもしれないが、多くは風が強いために草の中にもぐりこんでしまっているらしく、その後私は1頭もウスイロヒョウモンモドキを見つけることができなかった。高丸山の頂上への急登の手前で昼食を食べた。その後は頂上を迂回するコースを進んで、昼食を食べた場所とは頂上を挟んで反対側の尾根に出た。そこで観察会は解散となった。当然のこととして撮影目的で来ていた人たちは最初の出会いの場所に引き返した。
その時にとりあえず開翅は押さえられたが、やはり撮影は思うようにはいかなかった。
ウスイロヒョウモンモドキ観察会に参加して(7月中旬 兵庫県)_f0199866_21212387.jpg


その後、ホシチャバネセセリの期待できるポイントに移動した。このセセリは小さく敏捷なため見つけるのには手を焼いた。我々の他にも観察会に参加されていた人の何人かが後からその捜索に加わった。そして、やっとホシチャバネセセリが見つかったときに、ここでも出会える可能性があると聞いていたウスイロヒョウモンモドキが我々の目の前に飛んできた。私は何の迷いもなく、ウスイロヒョウモンモドキの方を追った。ススキの仲間が生い茂る中、背丈の低いオカトラノオの花に留まるウスイロヒョウモンモドキを撮影するのは大変だった。しかし、幸運の出会いと決断で次のような写真をものにすることができた。しかも、この子は今回撮影した中で一番きれいな個体だった。
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ウスイロヒョウモンモドキ観察会に参加して(7月中旬 兵庫県)_f0199866_21224583.jpg


観察会には「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」のメンバーでもある「My Favorite Butterflies of JAPAN」のkenkenさんも来られていた。話はあまりできなかったが、初めてお目にかかれて嬉しかった。その他にもたくさんの方とお会いできた。皆さん当日はお世話になりありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
by maximiechan | 2012-07-16 21:35 | 蝶 butterflies | Comments(20)
Commented by cactuss at 2012-07-16 22:23
いろいろな蝶に出会え、なかなか成果があった様で、よい撮影行だった様ですね。
兵庫北部は1度だけ行きましたが、本当に蝶の多いいい場所だなと思います。
次回の掲載も楽しみにしています。
Commented by goma at 2012-07-16 22:51 x
お世話になりました。
アップが早いですね。
ウスイロヒョウモンモドキの写真は完璧ですね。
私のほうは、山登りでかなりバテていたので、ちゃんと撮れたか判りません。PCの具合も良くないので写真のチェックもまだです。
Commented by kenken at 2012-07-17 00:09 x
観察会へのご参加、有り難うございました。
是非、また、関東の皆さまに声かけしていただき、来年以降も多くの方々にウスイロの現状を見に来ていただければ幸いです。

最後のオカトラノオでの吸蜜シーン写真、これは決まってますね!撮影されてお気づきと思いますが、翅裏ってなかなか上手く撮れないんです。

当日は、ついつい、観察/撮影に熱中しており、お別れのご挨拶ができませず、失礼いたしました。
またお目にかかれますこと、楽しみにしております。
Commented by takamasa616 at 2012-07-17 06:05
自宅の庭に来る蝶を撮っていましたがネットで観察会のことを知り飛び入りで参加させていただきました。一ヶ月ほど前、偶然聞いたゼフの山に行き偶然ヒサマツが撮れたのを機にチョウ図鑑を買った初心者です。丹後の自然を撮ることを趣味にしてきましたがこれからは蝶の写真が増えそうです。
http://blog.goo.ne.jp/hatakusa
Commented by midori at 2012-07-17 06:26 x
とても素晴らしい成果ですね。1枚目のコラボ写真素敵です。ミドリとの大きさ比較ができますね。コヒョウモンモドキくらいの小ささでしょうか?かわいい。ラスト3枚が、また何とも…いいですね。(*_*)
Commented by konty33 at 2012-07-17 06:26
個体数は少ないようですが、素晴らしい写真が撮影できましたね。
いつかは、kontyも行ってみたいのですが、なかなか行けません。
オカノトラノオの最後の写真が特に良い感じです。
この後、珍しい蝶たちの登場があるようなので楽しみにしています。
Commented by HOUNOKI at 2012-07-17 14:50 x
撮影の様子が手に取るように
分かり、大変さが伝わってきました。
やはり、ラストの裏翅の写真が
いい感じに撮れていますね。
毎回、楽しみにしています。
Commented by himeoo27 at 2012-07-17 20:12
Tさんの案内、素晴らしい兵庫県の自然と人々
最高の撮影行になりましたね!
また一緒に蝶行したいです。
Commented by yoda-1 at 2012-07-17 20:48
いや~。追加で参加させてもらえばよかったです。
この希少種だけでなく各種ゼフのオンパレードで一気に抜き去られました。
それぞれの蝶をmaximiechanさんと、ヒメオオさん、ごまさんで撮影スタイルが違うでしょうから、その個性を楽しみに拝見します。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:25
cactuss 様
関東周辺も色々な蝶が目白押しの時期なので、最後まで悩みましたが、
ウスイロヒョウモンモドキをはじめたくさんの蝶に出会えてよかったです。
また、今後に繋がる多くの人との出会いもよかったです。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:28
goma 様
3日間色々お世話になりありがとうございました。
とても楽しい蝶行でしたね。ウスイロヒョウモンモドキやハヤシミドリシジミなど
今が見頃の蝶は力を入れて撮影しました。
初見や珍しくても擦れていたものは・・・。
ということで時期をずらしてまた行きたいなと思いました。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:32
kenken 様
関東周辺のブログ仲間からも色々と貴殿のことを窺っていました。
勿論、ホームページも時々覗かせていただいていました。
初めてお会い出来て本当に嬉しかったです。
今回の観察会に参加したことをきっかけに関西の方への興味も増しました。
もし、そちらにまた出かけることがあったときはよろしくお願いいたします。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:35
takamasa616 様
当日はお世話になりありがとうございました。
私も多少ですが、高山植物などに興味をもった時期がありました。
勿論、今でも蝶の撮影の合間に草花にレンズを向けることもあります。
さて、これから蝶にだんだんとのめり込んでいきそうですね。
楽しい世界ですが、奥が深いので気をつけてくださいね。
これからもブログ拝見させていただきます。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:38
midori 様
コヒョウモンモドキより少し小さいかな。
兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会の方から聞いたのですが、
岡山県の新見市のものは大きく、ここのは小さいそうです。
地域差があるのですね。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:40
konty 様
今回、守る会のメンバーよりブログ等でこの蝶や会の活動のことをどんどんと広めてくださいと言われました。
是非kontyさんもこの観察会に参加されてください。
副産物も凄いです。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:42
HOUNOKI 様
またまた地味系の蝶のコレクションが増えました。
コヒョウモンモドキと似てはいますが、微妙に違うところがいいですね。
最後の個体との出会いは本当にラッキーでした。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:43
himeoo 様
天気や仕事の調整等色々悩みましたが、
行くという決断は大正解でした。
素敵な蝶行にお誘いいただいたこと本当に感謝します。
Commented by maximiechan at 2012-07-17 21:47
yoda-1 様
ごまさんに電話があった時は本当に兵庫に向かっているのかと思いました。
遠かったですが、当地の蝶の濃さは本当に凄いと思いました。
この観察会というだけでなく、時期をずらして何回も足を運びたい場所です。
yoda-1さんも是非出かけてください。
Commented by banyan10 at 2012-07-17 22:28
ウスイロも周囲の環境も素晴らしいですね。
僕のときは発生初期でしたが、今回は少し遅い時期の観察会でしょうか。
吸蜜の撮影機会は思ったより少なく最後の写真は素晴らしいです。
Commented by maximiechan at 2012-07-18 21:38
banyan 様
今回吸蜜自体は多かったです。
しかし、風が強くてなかなかピント合わせができませんでした。
発生時期については、例年より少し遅いようです。
でも、最初に出会った場所で見た個体は結構擦れているのが多かったですね。

by maximiechan